アンチエイジングの実際 No.4

前回に引き続きトレチノインの話題を

 トレチノインがニキビや若返り(小皺、毛穴)にはマイルドに、しみ抜きには強力に使うというお話をしました。
また、トレチノインを使用していて、赤みが出てくるようならば、ハイドロキノン(メラノサイトがメラニンを産生する過程を抑える薬)を併用した方が、安全性が高い(黒くならない)こともお話しました。

 ところでトレチノインとハイドロキノンをつかった治療のプログラムが、私の存じている範囲内で3つあります。それぞれ製剤も異なり、プログラムのスケジュールも異なります。


1、オバジ nu-derm(クリームプログラム)
 ロサンゼルスのオバジという皮膚科の先生によるプログラム。トレチノインの総量は3つの中で一番多い。そのために、多少の個人差はマスクされ、結果にぶれが少ない。
 フルフェイスで治療するのが、原則。他との違いは、漂白というよりは皮膚の色を均一にするのが目的(USAでみんな色を白くしたいとは限らないですものね)。
 フルフェイスで治療するので、口周りの乾燥や皮膚の剥けが派手。一見してオバジ顔とも呼ばれる、まっかっかで日焼けの後のような薄皮が出来る。
 この治療中の辛さが一番の欠点でしょう。オバジ先生は1クール(6週間)の間患者さんはこのプログラムを嫌悪する(hate)とおっしゃっていました。それはその通りだろうと美夏Dr.もやってみて感じました。
レーザー講習会で欧米の講師のお話では、リスクを下げるために(特に肝斑)、nu-dermをレーザーなどの治療の前に施行する場合が多いそうです。

2、東大形成外科の吉村先生によるトレチノイン療法
原則として漂白療法。しみの部分のみにトレチノインを使い、ハイドロキノンは広めに使う。こすって悪化させやすい頬骨の上のしみの患者さんが元々多く、頬骨の上ですと、(1)赤くなっても頬紅のようにも見える。(2)頬の上は皮膚が動かないせいか余り剥けない。の2点からnu-dermよりは患者さんの受け入れが良いと思っています。
 ただ、肝斑のある方で紫外線を受けた場合、nu-dermより悪化しやすいような印象があります。特に更年期前後の方。塗り方によってか、トレチノインの感受性の違いなのか、改善度にばらつきがあるよう感じています。

(3)メラフェード 肝斑は繰り返しでてくるしみなので、穏やかに長期間治療しましょうというコンセプトの元に作られたプログラムだと理解しています。
 ベタメサゾンというステロイドが入っていたために私のところでは取り扱っていません。でも今回ステロイドが入っていない製品がリリースされたそうです。期待できるといいですね。


posted at 2006/08/19 13:54 | kojitomika |
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