はしか(麻疹)が流行っているそうです No.3

麻疹が流行っているって言ったって、どうしたらよいの?の続編です。

本日は美夏Dr.が筑田Dr.にインタビューしました。(文責Dr.筑田)
美夏クリニック http://www.mika-clinic.com

「麻疹(はしか)は流行る時期がありますか?」
 例年4月頃から6月にかけて増える。この3月から麻疹の発生が見られていて、このゴールデンウィークで人が移動が多くなるので、麻疹が大流行すると大変だと心配されているんだ。


「こどもの疾患と考えていいのかな?」
 一般的に麻疹は小児の病気と認識されている。ワクチンは、現在1回目が1-2歳、2回目が小学校に上がる前の1年間に定期接種として受けられる。


「今年の流行を見ると、大人や10台の患者さんが多いようだけれど?」
 最近では高校生、大人の間でも集団感染が報告されている。
 ワクチンを受けていなかった方が罹るのは麻疹の感染力の強さを考えると当然のこと。でも、麻疹感染者の中には小児の頃すでにワクチン接種をしていた人も含まれていた。


「ワクチン(予防接種)では効かないことがあるの?」
 それには、二つの要素がある。
まずひとつめ。だいたいワクチン接種後95%ほどの方では麻疹抗体が陽性となる。言い換えれば5%程度のひとは接種後でも、抗体の産生が認められないか、産生された抗体が予防には不十分な量なんだ。これをprimary vaccine failureという。
ふたつめ。これが重要。ワクチン接種でウイルスに対する抗体ができたとしても、その後そのウイルスに全く身体がさらされないと、獲得された抗体が少しずつ減弱してゆく。敵が攻めてこないと思えば、兵力を維持する意味がないからね。その抗体の量が、ウイルスにさらされた時に予防的に充分量でなければ、発症する場合があるんだ。Secondary vaccine failureという。


「だから、昨年から2回のワクチン接種を行うように制度が変更されたのね?」
 最近の大学生、学校の先生での感染流行は1度のワクチン接種では感染予防に不十分な事を示している。制度改正前は1-6歳でワクチンを接種するようになっていた。ワクチンを一回接種しただけで期間が経っている人は、はしかについて充分発症を予防できるかどうか分からないということになるよね。2回目を定期接種としてワクチンを受けることはできないけれど、これは公費による接種が出来ないということだ。


 「では、これから起こる可能性がある麻疹流行に対してどのように対処したらよいのでしょうか?」
 時間的ゆとりが有るなら、自分の抗体量を測定し、陰性または量的に不十分なときには、2回目のワクチンを打っておくほうがよい。 特に医療、学校、保育園の関係者では自分を守るためと、子供たちや年長者からをも麻疹の流行感染から守るために必要な事なんだ。

 
 「制度改正前の一回接種で終わってしまった子供たちはどうするの?」いろいろ調べてみたけれど、はっきりしない。筑田Dr.個人としては、1回目接種から期間が経っていれば、ワクチン接種によるトラブルが少ないことを考え合わせてみても、2回目を接種したほうが望ましいと思う。

 免疫は、個人個人の身体のほうの状態と、環境(この場合ウイルスにさらされるリスク)との兼ね合いなんですね。環境など外的な因子だけでは、回答は出ないということのようです。このあたりを、次回筑田先生に突っ込んでみようと思っています。

posted at 2007/04/20 13:18 | kojitomika |

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