悪魔のトリル マンゼとメルクス

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 ジュゼッペ・タルティーニ「悪魔のトリル」を聴いた事がありますか?

 バイオリンの美しい音楽は多数あります。その中でタルティーニが夢の中で悪魔に教えてもらったという格別に美しい曲です。わたくしがこの曲に出会ったのは、アルヒーフでメルクスが引いているCDでした。

 よい音楽に出会うと「ああ、生まれてきて良かったな」と感じるものですが、この「悪魔のトリル」もその一つです。メルクスの演奏は、ただひたすら美しさに酔う事が出来ます。

 それで本日の主題です。

マンゼとエガーの演奏会会場で、また意地汚くも2つCDを買いました。一つはバッハのバイオリンソナタで、こちらはまだ聴いておりません。もう一つがこの悪魔のトリルです。是非この新しいバロックを作るマンゼの演奏が聞きたかった。

 いや、メルクスの悪魔のトリルはお気に入りですから、もう何回聴いたか分からない。頭の中に染み付いていて、次にどんな音が出るか熟知しています。

 それなのに、このマンゼの悪魔のトリルときたら、全く別の曲です。メルクスは、天上の美しさなんですが、マンゼのは悪魔が弾いているのかと錯覚してしまいます。

 マンゼは通奏低音なしで弾いています。微妙なフレーズの強調された音、わずかにずらした音、装飾音の使い方ーー聴いているうちに涙が出てきそうーー。和音がねえ、独特です。多分この和音が、冷静に保とうとする理性を壊してしまうのでしょう。

 悪魔に魅入られたい方には、マンゼの「悪魔のトリル」は是非お勧めです。

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