ヒアルロン酸注入による合併症塞栓を避けるために

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Filler で一番怖い合併症は、塞栓です。

Fillerの注入用ヒアルロン酸やコラーゲン、レディエッセ、自家脂肪などが動脈の中に入ってしまうと、その先の皮膚が壊死してしまう。内頚動脈領域だと脳梗塞や失明の報告まである。

 手術で切っても、電気メスで焼灼しても、糸で結紮しても問題をおこさない動脈に、塞栓をおこすような物質を詰めてしまうと大事になってしまいます。

 

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 塞栓を避けるためのテクニックとしては、

1、血管の走行(解剖)を熟知する。(危ない所は避ける)

2、注入内圧を下げる(ゆっくり注入する、逆流しにくいように。。。)

3、線状に入れないでサイドから点状に少量ずつ注入する、(塞栓を起こしても、少量ならばダメージは小さい)。浅めに注入する。

4、ヒアルロニダーゼを使う:注入したときの状況で危ないと判断した時ヒアルロニダーゼを注射してヒアルロン酸を溶かしてしまう。cannula3.jpg

リスクを下げることは可能だけれど、それでも危険性がゼロではない。

   唯一塞栓を起こすリスクをほぼゼロにできる方法としては、カニューラを使用するというやり方があります。

 カニューラは、先端は丸くなっていて、側面に穴が開いています。

 鋭い針は柔らかい場所はどこにでも刺すことができます。血管を突き抜けたり血管内に留まったりが可能です。それに引き替え、丸い先端は血管に刺さることはなく、側面の孔から注入剤が入ってゆきます。余程の例外的な状況があれば別ですが、普通は血管内にFIllerが入ってゆくことはありません。

 カニューラの欠点は、扱いにくい、正確さに欠けることです。 普通のとがった針に比べ、注入したい場所に正確に先端を持ってゆきにくい。(ちょっとぐさぐさした感じになります) 調度入れたい深さってのがあるのに、膜状の組織があると通過しない。真皮内への注入は、可能って書いてあるけれど、硬いのでカニューラを使うのは難しいと思います。

 鼻は塞栓を起こしたときのダメージが大きく、カニューラの位置の調整がしやすいので、良い適応だと思います。

 下瞼が少々課題です。

 一番上が、ディスポーザブルのカニューラの先端、真ん中がレディエッセのシリンジを装着したカニューラ、下は滅菌するタイプのByronのカニューラ(よく使われるタイプ)です。ディスポのカニューラで新しく輸入したものが思ったよりこしがあり、使いやすかった。Byronのも悪くないんですが、カニューラ分に0.1ml必要なんです。ちょっと勿体無いなあって思うときがあります。

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この記事について

このページは、美夏クリニック Dr.美夏が2011年5月 4日 17:58に書いた記事です。

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