004)内科の最近のブログ記事
今週になって、武蔵野市でもインフルエンザ感染患者数が急増しています。
最近のA型ウイルスの特徴として、昨年と違ってタミフルに耐性の株が増えています(B型はまだ感受性あり)。
A型インフルエンザ感染の早期治療では、タミフルに変えてリレンザでの対応は可能ですが、インフルエンザワクチン接種で予防するのが最も確実です。そして、経済的にも安上がりです。
しかし、ワクチンで100%感染をブロック出来ない事も承知しておかなくてはなりません。ワクチン接種での予防効果は80-90%と言われていますが(濃厚なウイルス暴露では感染することがありますし、免疫能の低下した方もいるため)、接種後仮に発症したとしても、症状は軽く治りも早いで是非早急のワクチン接種をお勧めします。
1月末から2月にかけて、インフルエンザ発症は急増するのが通年の傾向です。 ワクチンを接種して、抗ウイルス抗体が産生されるのに7-10日かかりますので、早期のワクチン接種を勧めるのはこのような理由からです。
昨年の記事のなかで 「インフルエンザに推奨される漢方薬」 は こちら
「インフルエンザとマスクの選択」は こちら 「咳エチケット」は こちら
そうそう、東京都は15日インフルエンザ注意報を出したそうですよ。先週のコンサートホールでは咳をしている人はお見かけせず、今年はあまり流行らなくてすむのかと思っていたのですが。
多田富雄先生の「寡黙なる巨人」を読みました。
2001年5月に脳梗塞に見舞われ、構音障害(言葉を発する事ができない)嚥下障害(飲み込めない)右半身麻痺と障害は重篤です。その中でリハビリに励み、左手でワープロを使って、執筆されておられます。
もともと闊達でおられた多田先生が、脳梗塞により重篤な障害をもたれました。病を通じて自分のうちに新たに育ってきたご自分自身を、「寡黙なる巨人」と名づけ、描写されています。
もともと障害を持って生まれてきた方も、途中から病を得て障害を持った場合にも、心を支えてくれる希望の一つは、リハビリテーションです。形成外科医は、口唇口蓋裂や手足の先天性疾患の治療で、リハビリの重要性を強く学びます。
この所の医療改悪で、障害者のリハビリテーションを最大で180日に制限されました。これは、生きる希望を取り上げ、マイノリティである障害者を排除しようとする政策です。 リハビリテーション医療の打ち切り制度撤廃運動 を多田先生は強く訴えておられます。
横谷峡の上り坂を、筑田Dr.が上ってゆくのも程度の違いこそあれ、回復への願いのように思いました。
多田先生を初めて知ったのはいつの事でしょうか。
免疫学会で革のズボンをはいた元気な先生で、次次と演者に質問をぶつける方がおいでになりました。 隣の席の先輩が、あの方が米国帰りの多田先生だよと教えてくれました。
とてもエネルギッシュな探究心に感心し、研究者はこうでなくてはと思ったものでした。先生の専門分野の免疫の仕組みに関しては私も大変興味を持って勉強した分野で、先生の講演はいつもとても興味深く拝聴いたしました。
昔のことですが、学会での懇親会で先生とお話しする機会がありまして、そのさい、創作能"無明の井"のお話をおうかがいし、先生の多才ぶりに改めて驚かされました。
その後しばらくして先生が脳血管障害でお倒れになって、リハビリ制度のさまざまな問題点、改善点を新聞で述べていることを知りました。
私も、僻地の国保病院にリハビリ施設を新しく開設し、患者さんにとても喜んでいただきました。現制度では採算抜きでヒューマンな気持ちがなくては、患者さんの治療効果が望めないことは明らかです。
病気に無知な人々がリハビリに制限を設け、回復への夢も希望も奪い去る制度は何としても改善してもらいたいと、全く多田先生の言われるとうりと感じていました。
私の妹も数年前脳梗塞で倒れ、持続的なリハビリを必要としましたが、今はリハビリの制限のため十分な治療が受けられない状況になっています。
制度を創る人々自身、又は愛する人が脳血管障害で倒れない限り改善の必要性を感じないとしたら、何とも情けない話です。 また、多田先生は朝日新聞に、日本は病んでいるとお書きになりましたが、私も日本の社会が先生がご指摘なさったように競争、能率、成果、市場原理主義をよしとし、思考もデジタル化し、人間味のある温かさが失われているように思います。
スウェーデンで暮らした時ですが、役人の対応が規則一辺倒でなく、相手の立場を十分聞いて、柔軟に対応してくれたことには感動しました。 日本では規則ですからと、一蹴されることまちがいなしのことでしたが。
政治政策も人を信じ、人々のため、特に弱者への思いやりの思想が政策の基本に感じられました。 日本はこの20-30年の間に、米国の市場原理主義を基軸としての政策をとり、人間の問題をもデジタル処理して当然と思い、人々が数字で処理され、結果として無味乾燥で寒々とした社会になってきた様に感じます。 残念です
今年度から75歳以上の方を対象に保険制度が変更となりました。
この制度は経済優先で、人に対する優しさが感じられません。そこには社会保障制度の基本的な思想がみえてきません。
私が重要だと考える社会保障とは何であるかお話いたします。私は、国は人が安心して暮らすため、お互いに助け合うために、存在するものと思います。障害を持った人、病気の人、加齢によって働く事が困難な人、健康で働ける人、さまざまな人がいます。人がお互いに元気な時も病気の時も支えあうことが必要です。
人は若い時健康でも、年を重ねるにしたがって体のあちこちに支障が出てきます。 人は不死身ではありません。加齢による退行性変化は誰も止められません。 肉体的にも脳の活動にも、青年期を頂点として時とともに、下り坂となります。
今回の制度で75歳以上を別枠に考えた理由を考えてみましょう。高齢者は病気がちで、医療費が高額になります。医療費を削減するために、75歳以上の方の医療費を特に抑制しようとの意図が感じられます。
問題は大幅な医療費削減が必要であるという論理です。 日本の医療費は、先進諸国の間では対経済比では下位です。健康はただでは買えません。 高度医療の普及に伴い、良い治療を享受するにはそれに見合った予算が必要です。
国民の健康は最も大切です。ほかで節約できる領域があります。健康であることは幸せの基本です。政治には高いレベルの理念と思想が必要です。
政策にはヒューマンな思想が不可欠と感じます。
漢方薬は副作用の少なさ、効果の早さなど総合的に考えるとインフルエンザの第一選択薬のように思います。
例えば、体力のまだしっかりした方で、悪寒があり発汗が無い症例では葛根湯(葛根、大棗、麻黄、甘草、桂皮、芍薬、)、あるいは麻黄湯((杏仁、麻黄,桂皮、甘草)を服用すると、悪寒、関節痛はすっかりとれ、発汗を認め解熱し、症状は軽くなります。
これらの薬は鎮痛解熱剤のように体とウイルスの戦い(炎症)を抑えるわけではく、体の抵抗力を増強するように働き、ウイルスの排除を早めます。
これらの漢方薬での治療では、解熱剤投与時と比較して1-2日早く治癒するように感じています。
また、タミフル投与時と遜色ない症状改善効果が発表されています。 治療には正しい診断が必要ですが、インフルエンザの診断には迅速検査キットがありその場(15分)で診断が出来ますので、疑われたときには出来るだけ早く医療機関を受診し、対応をご相談ください
やっと筑田Dr.の原稿が送られてきました。それでは筑田先生お願いします。
インフルエンザの感染は、インフルエンザウイルスが気道から入り、その場で増殖する事から始まります。 感染源となるウイルスは、すでに感染している人の咳,くしゃみで周囲に飛び散った微小水滴(エアゾール)として空中にまき散らされます。 ウイルスのひとつひとつがフリーの状態で空中に撒き散らされるのではなく、くしゃみ、咳で感染能力のある様々なサイズの水滴となって広範に撒き散らされる事になります。この水滴(エアゾール)を吸い込んで感染することを、飛沫感染といいます。大体このエアゾールが5μmくらい。
空気中でウイルスを含んだ水滴は少しずつ水分が蒸発して飛沫核とよばれ、長く空中に留まっています。この飛沫核を吸い込んで感染することを、空気感染(飛沫核感染)といいます。
インフルエンザウイルスの粒子そのものは、0.08-0.12μmと言います。するとウイルスのサイズからすると、すでに紹介済みの高性能マスクN95でもウイルス粒子の通過をブロックできません。
咳エチケットの趣旨はインフルエンザ感染者が感染源であるウイルスをまき散らさないことにあります。感染者が最初にはき出すのは、大きな飛沫です。それを広めないようにしようという「エチケット」!!
マスクを感染予防に使用する目的は、気道粘膜というバリアの保護に役に立つこと、またフィルターとして病原体をブロックすることの二つにあります。気道経由でのウイルス感染が成立するには、吸入したウイルスの量が一定以上あることが必要です。すなわちウイルスを含むエアゾールのサイズがある程度以上で、吸入量が多い事が重要なのです。
N95は、ウイルス含入飛沫核も95%以上をマスク上でブロックし、感染成立に必要なウイルス量が気道内に侵入することを防ぐ事が出来るので、予防としてはかなりの効果があると考えられます。SARSのときに実証されています。未知のウイルス感染症や、ワクチンの対応ができない新型インフルエンザに対してはN95はウイルス透過を下げる感染予防として推奨されます。
そして普通のマスクであっても、1、気道粘膜のウイルスに対する防御力(バリア機能)を個体として保つ。2、自分が感染してしまったウイルスを飛沫核として外部へ放出しない。の二つの目的には敵います。
普通のマスクで、インフルエンザ発症率が下がっているっていうウェブサイトはこちらでしたhttp://www.unicharm.co.jp/company/news/2007/07nov-1.html
マスクといえど、色々な種類があります。
いわゆるサージカルマスク。不織布が何枚か重ねられて出来ています。鼻にフィットするようにワイヤーが上の部分についています。同じ形でひもで結ぶものもあり、そちらの方が密着度が高い 。
3層構造で、特殊フィルターが入っているため3μmまで捕集出来るんですって。
頬の部分、鼻の横、あごなどで隙間が出来ているような掛け方をしたら失格ですね。
美夏Dr.はこのところ朝起きるとのどが乾燥して調子が悪いので、このマスクをしたまま寝ています。あさ起きるときには鼻がマスクの外に出ちゃっていますけれど、のどの調子は乾燥から少し守られていて、風邪気味の時には良い。
これがN95という規格を通ったマスクで、ウイルスをあまり通さないとされています。このマスクは麻疹が流行っているという話で、この春から美夏クリニックで状況によって使用しているものです。N95っていうのは、USAの国立労働安全衛生研究所が(労働省みたいなところ?)作った基準で、0.3μm以上の微粒子を95%カットできるマスクです。
どこかの映画でも見られましたね。
N95のような高機能マスクではなくても、ウイルスを通過させてしまうフィルターのマスクであっても、なぜウイルス性の呼吸器感染症でも推奨されるのか、次回をお楽しみに。Dr.筑田に引き継ぎます。
少し本日のポイント。フィルター性能と密着性でマスクの機能は決まる。さて他の要素は何か?
インフルエンザや感冒など呼吸器感染症の予防に厚生労働省が「咳エチケット」という呼びかけをしています。http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/index.html
引用しますね。
「咳エチケット」
○ 咳・くしゃみの際にはティッシュなどで口と鼻を押さえ、他の人から顔をそむけ1m以上離れる。
○ 呼吸器系分泌物(鼻汁・痰など)を含んだティッシュをすぐに蓋付きの廃棄物箱に捨てられる環境を整える。
○ 咳をしている人にマスクの着用を促す。
○ マスクの装着は説明書をよく読んで、正しく着用する。
咳エチケットの趣旨は、感染性病原体をばらまかないようにしようだと思います。そしてマスクをすることで、呼吸器感染症の発症のリスクも下げられます。(吸い込むウイルス量がへるのと、多分バリアが保たれやすくなる) インフルエンザの発症率をマスクをしなかった人ではしていた人の数倍と書いてあるウェブページも拝見致しました。
美夏Dr.は先週末少々風邪気味で、葛根湯で抑えていました。おかげさまにて元気なのですが、少々まだ咳が出ます。マスクをしていると、マスクの中が温度と湿度が保たれ、他の人にウイルスをばらまかないのみならず、調子の悪いのどや呼吸が楽になるのが分かります。
気道粘膜も皮膚と同じように、外の環境から内なる自分を守るバリアです。気道粘膜には繊毛といって細かい毛のようなものがあって、異物を排除しようとしています。また粘液で覆われ、その粘液のなかには異物を排除する抗体(IgA)など免疫物質が含まれています。そのバリアは乾燥や低温で損傷しやすく、マスクで覆って湿度と温度を保てばバリアを保護することにもなる訳です。
実際にはウイルスはマスクを透過します。そのあたりを次回書いてみます。
個々の人がワクチン接種を受けるかどうかは、疾病にかかるリスクとワクチン接種の合併症のリスクでどちらが得かで決めることになります。疾患の重症度が高くて、ワクチン接種のリスクが低ければ、接種をしたほうが好ましい。
大きな集団での損得を考える分野を、公衆衛生といいます。感染症(病原体)そのものが無くなれば、その感染症にかかる個人はなくなります。また感染症の発生率が下がれば、その疾病に感染する確率が下がります。
その大規模な集団でワクチン接種が有効であったかどうかを検討した論文がJAMA.2007Nov 14;298(18):2155-63に発表されました。抄録からご紹介します。JAMAはUSAの医学雑誌です。
比較検証された疾患は、ワクチンで予防可能な13疾患です。ジフテリア、百日咳、破傷風、ポリオ、はしか、流行性耳下腺炎、風疹、侵襲性インフルエンザ桿菌b型(Hib)、急性B型肝炎、A型肝炎、水痘、肺炎球菌性肺炎そして天然痘です。
これらの罹患率、死亡率について最近のデータ(2004年、2006年)と、代表的な過去の臨床比較データと比較して検証しています。結果は1980年にワクチンによる予防を薦める以前と比較しています。
1、ジフテリア、風疹、百日咳と破傷風では罹患数では92%、死亡率では99%以上の減少を認めた。
2、地域流行性のポリオ、はしか、風疹の流行は米国から排除された。
3、天然痘に至っては世界中から絶滅させた。
4、その他の疾患では1980年来80%以上の減少を認めている。
5、そして、肺炎球菌性肺炎では34%の罹患者減少、25%の死亡率減少を認めた。
この様にワクチン接種は病気を未然に防ぐ最も強力な手段である事が検証されています。
今年は例年より早くインフルエンザ流行期が始まりましたが、ワクチン接種を早く済ませておいた方が自分を守る最善の手段です。 特に受験生、高齢者、慢性呼吸器疾患、糖尿病、慢性腎疾患や慢性肝炎の方、そして免疫不全の可能性ある人では1回のワクチンより、2回接種がより予防効果が確実と思います。
海外旅行予定者も、飛行機内では呼吸器感染しやすいため、早めの対策をお勧めします。 旅行地域によってはインフルエンザ以外に、肝炎、日本脳炎、破傷風のワクチンも考慮した方が良いでしょう。
9月頃より時々インフルエンザおよびインフルエンザ様感冒のニュースを拝見していました。今年は通年より1月くらい流行が早そうです。沖縄では夏の間のインフルエンザの流行もあったようで、この2007-2008年のシーズンのインフルエンザについては、予測出来ない部分があります。
予防接種をお勧めしています。流行期間が長い可能性がありますので、早めに1回接種して、1月くらい間を置いて2回目をする方がよいかと思っています。新しい情報が出ましたら、報告しますね。
今朝クリニックに来てみましたら、コメントを頂いていました。うれしい。
コメントを右のサイドバーで表示できるようにしたいと思っています。ちょっとマニュアルを見ただけでは分かりませんでした。ウイジェットセットのタグをどこかに挿入すれば良いのだろうと思っていますが、まだ分かっていません。もう少し待って下さいね。
夕方までに一番右のカラムに「最近のコメント」というfirst widget setのタグ??を入れることで、欄を作ることが出来ました。同時にカレンダーも作れた!!でもこのタグを入れたテンプレートモジュールは他にも一杯記載があって、それはいったいどこへ消えたのか分からないーーー!?!もうちょっと勉強します
漢方内科学の執筆
まもなく漢方治療のお奨めの参考書として漢方内科学が出版されます。
メディカルユーコン社 税別1万円です(医学書にしては、内容から見れば安い!!)
編集者の水野修一先生から血液疾患部門の執筆を依頼されてから3年は過ぎました。
血液疾患領域は現代医学の中で、基礎及び臨床研究が飛び抜けて驚異的に進歩した分野です。 診断と治療にはDNAレベルでの解析無しには考えられません。
この様な西洋医学でも最先端を行く血液疾患の治療に、2千年以上前からの東洋医学的治療法を、ほとんどの血液専門臨床医は疑問を持つものと思います。
普通の医学教育を受けた科学的分析思考に支配されている臨床医にとっては、私を含めて漢方医学的考えは荒唐無稽で理解に苦しむのが常なのですから。 現代の医学を長年学んだものに、いきなり2千年前の考え方で治療を考えなさいといわれても、躊躇無く出来るものでは有りません。
私の場合ですと、東洋医学の考えを受け入れ、現代医学と異なる次元で患者さんを診察し、患者さんに最適の治療を選択出来る様になるまで、数年間を必要としました。 物を見るのに、そのものの形、大きさ、重さ、質感、色、ニオイ、味で見るように、さまざまな見方があるものです。 同じように、東洋医学的観察法、西洋医学的観察法には異なる次元の見方が必要なのです。
要するに、患者さんを診察するときに、脳を切り替えながら多方面から観察し、考えるのです。
今回の参考書は、従来のものと異なり、特別な違和感を覚えることなく漢方治療が出来るようにと配慮されていて、一般の臨床医にはとても使い易い参考書です。 執筆の血液疾患は如何しても、西洋医学的標準的治療法が確立されている事が多く、漢方治療の出番は他の疾患より簡略になりがちなのですが、水野先生の厳しい要請で、現在わかってきたものについて出来るだけ網羅するように勤めたつもりです。 今週完成本が贈られてきました。
今後さらに完成度の高いものにする必要はあると思いますが、一段落し、最近のとても嬉しいニュースとなりました。
美夏Dr.コメント ずいぶん前に、どうして漢方なの?骨髄移植とかする血液疾患で、漢方が役に立つの?などと質問しては困らせていました。
どうやら化学療法といって抗がん剤の組み合わせ治療をしている時に、漢方で補助療法をすると、ずいぶん抗がん剤や内服ステロイドの量が減らせ、結果が同じでも抗がん剤治療時の苦痛を軽くすることが出来たらしい。
そうこうする内に、漢方治療にのめりこみ、亀田総合病院にいるときには、馬先生に鍼治療を習い、東洋医学もライフワークの一つになったのだそうだ。面白い経歴ですね。
確かに血液内科というところは、西洋医学のなかでも、西洋薬を最も先鋭的に使う科です。その血液内科の医師が、東洋医学をも専門とするというところが、面白いですね。
考えてみれば、西洋医学的な身体とか東洋医学的な身体ということはないので、ツールが増えただけと考えれば当たり前なんですけれど。
中国伝統医学(中医学、鍼灸治療)の研修旅行
3月17日から25日北京へ行ってきました。 中国へは中医学(中国の医学;日本や韓国の東洋医学に比べて中国の医学を強調したいときに使う言葉)の恩師馬先生が亀田総合病院から帰国なさる時ご一緒して、天津にお伺いして以来で8-9年ぶりでした。
北京でまず驚いたのは空気の汚染です。滞在期間中太陽を見たのは2日間のみ、日中でも物の影がうつらないような、奇妙な感じを覚えました。喉がヒリヒリ刺激され、排気ガスの臭いがして、かつて日本でも問題になっていた状況とそっくりでした。
研修は朝の8時から夜7時まで、昼食もゆっくりと楽しむ事も出来ない充実したものでした。 講師陣は中国各地からの名医総勢15名の豪華版で、一人3時間の講義と秘伝の技を示しながらの治療実技と合わせたもので、その効果に感心させられました。
名人の技は各自それぞれに特徴があり、今後の治療効果を上げるのに、大変参考になりました。
恩師の馬先生の鍼治療は患者さんに出来る限り痛みを与えない繊細な打ち方です。今回の先生方のダイナミックな鍼の打ち方よりも日本人には合っているように思いましたし、私も馬先生の方針を今後も受け継いで行こうと思いました。
自由時間は2日間有りましたが、1日は書籍探しに費やし、残る1日は博物館巡りと、北京の表と裏道を見て歩き、中国の歴史、文化の底知れない大きさを肌で感じることが出来ました。
中国では西洋医学と中国伝統医学を結びつける方向で医療が進んでいます。
日本の医学部でも漢方がカリキュラムとしてようやく始まりました。鍼治療の効果も海外からエビデンスとして報告されていますので、医学部での鍼治療に対する教育も早急に始めてほしいものだと思います。
美夏クリニック http://www.mika-clinic.com
例えば痛みの治療について
勿論原疾患の鑑別診断が一番重要です。
その上でNSAIDS(非ステロイド系消炎鎮痛剤)は、胃潰瘍などの消化管障害や薬疹などの過敏症のリスクがあります。ブロックは鍼の治療に似ている点がありますけれど、やはり薬物を使います。
鍼の治療の適応があれば、鍼治療は副作用がなく、安全に治療できるメリットがあります。
色々な治療法がある中で、西洋薬や漢方薬に加えて、鍼治療という選択肢があることは、ツールが多いという意味でもよいことだと思います。
posted at 2007/04/04 13:46 | kojitomika |
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