006)東洋医学の最近のブログ記事
「瘀血」と聞いて意味がわかる人は少ないのではないでしょうか。 それも当然で、医師の中でも、東洋医学に関心がある方以外は、患者さんに聞かれて一瞬戸惑うと思います。
東洋医学では、私たちの体の健康は気、血、水の良好な運行によって保持されていると考えます。
血は水と、食物のエッセンスから作り出され、脾と胃の作用により血管をめぐり体の隅々まで栄養を与えると考えられています。 そして、血液循環は心臓と、生命のエネルギーと理解される気の作用によって運行されます。
瘀血とはこの血液循環が障害されている病的状態をいいます。よどんでいる状態といえば、分かりやすいと思います
瘀血がありますと、多様な症状が認められます。例えば冷え性、便秘、痔、腰痛、肩こり、生理痛、頭痛そしてメマイなど、これらは日常よく見られる症状です。 それに、更年期障害なども関係している事が多いのです。
この様な方では唇の色は悪く、舌を見ますと暗く、舌の裏の静脈が太く黒ずんでいて、ひどい状態では鬱血斑点が見られます。 肌も浮腫み荒れてくすんだ色になり、眼の周りにクマが目立ってきます。
痔出血なども血液巡回障害の一つの所見です。 治療には西洋薬はあまり効果が期待できません。
東洋医学ではこの瘀血を重要視しているため、多くの治療手段を持っています。 鍼治療は即効性で副作用も無く安全です。
また漢方薬もとてもよく効きます。 漢方薬では駆瘀血剤と呼ばれる桂枝茯苓丸、大黄牡丹皮湯、桃核承気湯、当帰芍薬散などがありますが、個々の状態を見極めて処方される事になります。
一般に漢方薬は直ぐ効かないと誤解されているようですが、効果の早い時には1-2週間で体調の変化に気づきます。 最近はニキビの患者さんも局所療法と合わせて漢方薬治療を行い、良好な治療効果が得られています。 瘀血は生活習慣病を促進しますので、明らかな症状が出る前に瘀血の治療を行い、発病を未然に防ぐ事が肝要です。
脱毛症や薄毛の悩みで相談に見える方を拝見しますと、頭皮に炎症所見がある方が多い。でも、患者さんは、意外に気づいておられません。
炎症が起こった状態のまま、育毛剤や発毛剤の服用や塗布を続けても、大した効果は望めません。 むしろ、炎症を促進して悪化させる可能性があり、注意が必要です。 プロペシアを服用している方で、反応が悪い方にこのような状態を時々見かけます。 第一にするべきことは、頭皮の状態を改善してやる事なのです。
メソセラピーの効果は鍼治療効果と薬の作用を組み合わせた治療法で、早期に頭皮の環境が改善されてきます。つまり浮腫が取れ、炎症所見としての発赤も、改善されてくると、発毛、育毛に適した状態になるのです。
すなわち、メソセラピー効果のメカニズムはまだ明らかにされておりませんが、頭皮の組織に適度な鍼刺激が加わる事によって、組織内の細胞活性が高まり、様々なサイトカインが放出され、頭皮組織内での再生過程が惹起されるように思われます。
植物の場合、古い枝を切る事によって、成長ホルモンが刺激され、老木が若返るのとなんとなく似ています。
白血病や癌の化学療法では、頭髪がすっかり無くなってしまう事が多いのですが、治療後生えてくるときは以前より立派な頭髪になっている事はよくあることです。 このような生物の再生現象を見ていると、脱毛症の治療も再生医療の分野なのだと最近では考えています。
メソセラピーによる薄毛治療のブログはこちら
美夏dr.からのコメント
メソセラピーって、東洋医学の鍼治療と、西洋医学のドラッグデリバリーシステムの長所を合わせたような治療だと思います。薬は最も効果が出やすい深さに直接投与されるのが最適です。そして東洋医学の(西洋学的にはわかりにくいけれど)経絡刺激による鍼治療を薬を使用しながら、行ってゆく。
これは、結構コンセプトとして見込みがありそうに思うのですが、残念ながら鍼治療をしている医師が少ないので、大きな数で結果を出すのが難しいですね。
ルバーブはタデ科ダイオウ属の植物です。ダイオウ属のものには薬用のダイオウと、食用のルバーブがあり、葉の形の違いからも区別がつきます。
薬用ダイオウはその根を乾燥して用います。大黄の名前は、その根を割ってみますと橙色を帯びた鮮やかな黄色が印象的で、直ちに納得すると思います。
食用のルバーブは茎をジャムなどにして食べます。 日本ではなじみが薄いのですが、欧州では身近な食材です。 牛乳に混ぜて食べるとヨーグルトのような味が楽しめます。
日本ではイタドリが同じような仲間ですが、酸味が強いので、シュウ酸を適度に除いて調理するようです。 子どもの頃、道端のイタドリの若芽を咬んではその酸っぱさを楽しんだものです。
イタドリも大変たくましい草で、除草に苦労するのですが、根はやはり同じような鮮やかな黄色をしています。
漢方での大黄の効能は、熱を取り去り、便通を良くします。 また血の滞りを改善し、血液の熱を鎮め、解毒する作用があります。 漢方薬の大黄牡丹皮湯、潤腸湯、麻子仁丸や防風通聖散などでは生薬の大黄が大変重要な位置を占めています。
食用のルバーブは茎を食べ、漢方薬とは効果が異なりますが、繊維が大変多いので、便通の改善は期待できます。
美夏Dr.から
ルバーブの茎ってとても硬い。切っていたら、手が痛くなりました。一晩お砂糖と白ワインにまぶしておいて弱火にかけると、とろとろと溶けてきます。線維が透けて見えてきれい。
ジャムを作るときには水は普通いれません。火にかけた果物から水分がでてとろけてくる様子って、ちょっと感動ものです。昨日の夜仕上がりました。長野県アルプスのワインで善光寺竜眼2004を150mlくらい入れ、レモンは半分。ワインを入れると、味に深みが出て大人の味です。
筑田Dr.はアララのミューズリーに沢山いれて、美味しそうに食べていましたよ。
ちょっと蛇足です。アルプスのブラッククイーンはかなり香り高くおいしいのですが、白の竜眼は少々ブーケに欠けます。でも、長野のワインなので応援しています。
芍薬の花ってとてもきれいですね。昨日の神代植物公園で撮った写真です。漢方薬で良く使われる芍薬の話を書いてくれない?ってお願いしたら、原稿が届きました。筑田先生よろしくお願い致します。
生薬の中で、特に女性に処方される漢方薬の構成薬として芍薬(しゃくやく)、牡丹(ぼたん)があります。昔から六大名花とてその華やかで豪華な点では甲乙つけがたいものです。
この両者は、漢方薬としても美人を作る効果があり、なくてはならない生薬です。芍薬も牡丹も、効能は血液の火を取り除き、血液の滞りを改善し、鎮痛鎮痙作用が有ります。 当帰芍薬散、加味逍遥散、桂枝茯苓丸などは婦人病に処方される代表例ですが、いずれにも両者が入っています。
ちなみに、六大名花には菊、蘭、梅そして蓮が加わります。(太文字にしたら読みにくいですね。きく らん うめ はす です)ほとんど全ての草に、いわゆる雑草にさえ薬効があるのには驚きです。それを知らずに雑草として無視されているのはとても勿体無い。 私たちが、自然の恵みで生かされている事に感謝です
都立神代植物公園の今盛りのバラと芍薬を見て、父と花のことを思い出しました。
父は花が好きで、定年後は朝から暗くなるまで庭の花の世話をしていて、食事の時に母や、妹に呼ばれて家に入るのが常でした。 花を見、庭木の世話をしているのが健康のためにとてもよかったようで、90歳まで元気でゲートボールも楽しんでいました。
父を見て育った影響か、もともとの遺伝子のなせる業かわかりませんが、私も子どもの頃から花も木もとても好きで、山で見つけた珍しい花を父の庭によく植えたものです。 今もその習性は続いていて、土地があれば様々な木を植えずにはいられません。 数十年後どうなっているか想像するのはとても楽しい気持ちになります。
この様な経過もあり、漢方の生薬を見たり栽培したり、味わってみたりで楽しんでいます。
美夏DR.から そうか、美夏Dr.がさえないのは、筑田DR.が好意で処方してくれた桂枝茯苓丸もロクに飲まないせいかしらん?そういえば、なすびNs.には努力を怠って美しくなろうなんていうのはとんでもないって叱られてましたっけ。最近なすびに怒られていないので、どうも緊張感が足りないようです。山の木々は,落葉樹は葉が落ち、針葉樹は雪を載せているかさもなくば緑です。今年は昨シーズンに比べると雪の多い年です。
美夏Dr.は杉花粉症です。
春めいてきて山が赤茶色になってくると、「山が燃えてきた。鼻がぐずぐず、頭痛はするし、くしゃみはでる」ととても辛くなります。杉の花粉が飛ぶ時期になると、燃えているような色あいになるんですね。
花粉症の治療は、症状によって、患者さんのご希望や治療の反応の仕方で決めます。
美夏Dr.の場合は、抗アレルギー剤を中心にして、状況で小青竜湯を頓服的に内服します。
小青竜湯は眠気がでないのと、漢方というイメージと反対に即効性があるのが便利です。年末風邪を引いたときに内服して、返ってカラカラになってしまったとお話したのを覚えておいででしょうか?水っぽい鼻汁を抑え、麻黄が入っているせいか頭もしゃっきりしてかなり美夏Dr.にはお助けマンです。1日3回飲まなくてはならないのが少々辛いですけれど。
点鼻薬や点眼薬もよく効きますが、美夏Dr.はあまり好みではありません。
その心配な杉花粉の飛散予報ですが、東京付近では2月始め頃から、量は平均的だそうです。 一般的に飛散する2週間くらい前から、抗アレルギー剤の内服をすると症状が軽くてすむとされています。そろそろ内服を始めた方がよいかもしれませんね。 今回の予報を拝見したサイトはこちら
突然の発熱、悪寒、頭痛、関節痛と全身倦怠感を認めたら、今の時期ですとインフルエンザを疑います。
インフルエンザにはどのように対応したら良いでしょうか?
最善の治療法はワクチン接種での予防ですが、罹ってしまった時は、体を暖かくし、安静と充分な栄養と水分の補充が大切です。
抗インフルエンザ薬としてタミフルやリレンザが有りますが、ウイルスを殺すわけではなく増殖を阻害する効果のため、発症48時間以内での服用が効果的です。 早期服用例ではインフルエンザを軽度に抑え、治癒過程も1-2日短縮されます。
しかし、若年者インフルエンザ例ではこの薬使用に関連して死亡症例があり、薬との因果関係の調査研究が進行中です。 インフルエンザでの死亡の危険の高い高齢者、幼児ではこれらの薬の使用も考慮しますが、現在10代の子供では使用が難しくなっています。
この様な中で現在改めて注目されているのが漢方薬です。
この項続きます。インフルエンザばっかりですみません。風邪やインフルエンザなどで調子の悪い人へ、花束を選びました。ネットの中からでごめんなさい。ゆっくりなさってくださいね。昨日寒気はするし、のどは痛いし、風邪の引きはじめかと嫌な気分でした。
愛用の葛根湯2包とトランネキサム2錠をとりあえず内服し、夜ゆっくり休みましたら、本日はかなり元気です。
考えてみれば、冬になって体調が悪くなったときには、いつもこの葛根湯で助けられていました。葛根湯ってくずゆの「葛の根」です。身体を温めて血行が改善して効くらしい。(詳しい話は週明けにKナースか筑田Dr.にお願いしますね。)
トランネキサムはあの肝斑に効くっていうトランサミン。確かにのどの消炎作用が あるみたい。
それで、行きたいけれど難しいかなと思っていたスキーに明日は行けそう!!(多分)
真っ黒にならないように、日焼け止めとフェイスマスクをもって、週明けに笑われないように努力して来ます。< strong>
薬膳の食材としてこれから冬にときどき登場してくるのは、やはり「唐辛子」でしょう
効能は 胃腸を刺激し、胃腸はもちろん体全体を温めます。発汗作用、代謝改善作用もあります。したがって冷えによる腹痛や、下痢などの緩和、肩こりや腰痛の改善に役立ちます。
昔はしもやけによいとされていたのでハンドクリームなどない時代に重用されたということです。いまや,この成分を利用した指先あっため系のハンドクリームが売られていますね。また貼ると温かくなるシップにこの成分が配合されています。 外用では(塗る場合には)やはり合う人あわない人がいます。合わない人は数分で痒くなってきます。私なども10分が限界でそれ以上だと湿疹が出来てしまいます。
食事で全身を温めるのには何より効率的です。辛味成分はカプサイシン、赤み成分はカプチサンといわれています。東洋医学的な考えでは、心経と脾経という経絡(心臓と脾臓をさすのではなく生命エネルギーのラインをさします)に関係しますから、やはり血の流れ、よどみの改善に深く関係するとみています。
料理としては、麻婆豆腐や肉の炒め物などたくさんありますが、「きんぴら」がお手軽でよいかなと思います。食材を油でいためて、しょうゆ、砂糖、酒で味付けし唐辛子を入れます。食材はごぼうやこんにゃくが定番になっています。あっという間にできますし簡単でおいしい!。
上級テクニックとしては、体を冷やす作用のあるセロリやなす、あるいは大根、レンコン、しめじなどと合わせるのがよいとおもいます。たとえば、更年期で体が火照りやすくて冷えやすいという方など、とくにこのような組み合わせを覚えておかれると良いと思いますね。
そういえば七味唐辛子の瓶が飾ってあるわという方、たまには使ってみてはいかがでしょうか
井の頭公園を散策していると、所々で銀杏の匂いがし、果実を拾っている人もたまに見かけます。 この匂いは好い香りとは程遠く、むしろ悪臭と言っても良いくらいです。人によってはにおいをかぐだけで皮膚のかぶれを起こします。(冗談だと思うでしょ?本当です。)
食用になるのは種の部分で、焼いたり、煮たりして食べますが、少し苦味があり、独特の味がします。 この種には薬効があり、白果の名前で漢方薬に用いられます。ツムラの漢方製剤には入っていないようですけれど。 効用は、血管拡張作用、鎮咳、抗喘息作用、寄生虫駆除、夜尿症治療効果などです。 治療用量は4.5gから9.0gです。
薬も使いようで毒になります。銀杏は生で食べると毒ですし、摂取量によっては調理しても中毒を起こし、死亡する事もあります。 ただし致死量も一定でなく、人によって異なります。 食べるのはせいぜい10g以下が良いのかもしれません。 勿論銀杏アレルギーの人は避けた方が賢明です。
美夏Dr.より
文献検索をしました。元は「毒草大百科 愛蔵版」 奥井真司さん著 データハウス発行 2300円+tax
銀杏中毒の致死量は不明であるが、中毒量として子供で7-150粒、大人で40-300粒、銀杏中毒者の30%が死亡していると書いてありました。ネット検索では、年齢の数より多く食べると危ないというのもありました。
YUKOさんがコメントに「私の咳、不思議な事に「銀杏」がよく効くみたいであれほど酷い咳き込みが、嘘のように落ち着きました。」と書いてくれました。この咳が止まったというのは、上記の鎮咳、抗喘息作用なんですね。1日10粒どまりにしておいた方が良さそうだと思いました。
ちなみに先日のレポートした銀杏皮膚炎のかたは
「銀杏は恐ろしい食物ですね。 当分、臭いも嗅ぎたくないです。(笑)」 とメールを送って下さいました。
毒にも薬にもなる銀杏の話でした。
http://mika-clinic-blog.com/2007/11/post_56.php東洋医学ではもともと人間の持っている生命力を高めることを重視しています。そして養生法といわれる生活上の注意点について古来より伝えられてきました。中でも最も重視すべきこととして「食事」があります。
食事法が間違っていればいくら薬を用いても改善しませんよと諭しています。
{薬膳}には実は「養生薬膳」と「治療薬膳」があります。治療薬膳は今でいう治療食 養生薬膳は日常の家庭料理にあたるものです。今回はこの「養生薬膳」についてのお話です
これから気温がだんだんと下がってきます。寒いときのお肌の調子や体調管理にぜひおすすめしたいのが「生姜」を使った料理です。この生姜(しょうが)は漢方生薬として「しょうきょう」と読み立派にお薬に入っています。例えば「葛根湯」「加味逍遙散」「桂枝加竜骨牡蠣湯」「小柴胡湯」などなど他にもたくさんあります。効能は体を温め、発汗作用や咳止め、胃腸改善、吐き気止め、風邪に効くとされます。
ちなみに辛味成分はショウガオール、ジンゲロンなど。香りは、ジンゲベレンetcです。これらの成分は抗炎症、抗菌 血行促進 新陳代謝を活発にする作用があります このような知識を持っていて生姜を用い料理をするのであれば立派な「薬膳」です。古くは「うつ」に効果があるとされたと書いてある本もありました。料理は、寒い季節にはスープに入れたりするのが体が温まってよいでしょう。もちろん豚のしょうが焼きなんてのも良いし・・・
薬膳の恩師が「良い奥さんというのは、家族が健康であるように気遣った食事を作れる人のことをいうのよ。ただおいしい食事を作る人のことではないわ」とおっしゃっていました。なるほどととても納得いたしましたが、とりあえず一人薬膳の修行中(_)でございます
漢方内科学の執筆
まもなく漢方治療のお奨めの参考書として漢方内科学が出版されます。
メディカルユーコン社 税別1万円です(医学書にしては、内容から見れば安い!!)
編集者の水野修一先生から血液疾患部門の執筆を依頼されてから3年は過ぎました。
血液疾患領域は現代医学の中で、基礎及び臨床研究が飛び抜けて驚異的に進歩した分野です。 診断と治療にはDNAレベルでの解析無しには考えられません。
この様な西洋医学でも最先端を行く血液疾患の治療に、2千年以上前からの東洋医学的治療法を、ほとんどの血液専門臨床医は疑問を持つものと思います。
普通の医学教育を受けた科学的分析思考に支配されている臨床医にとっては、私を含めて漢方医学的考えは荒唐無稽で理解に苦しむのが常なのですから。 現代の医学を長年学んだものに、いきなり2千年前の考え方で治療を考えなさいといわれても、躊躇無く出来るものでは有りません。
私の場合ですと、東洋医学の考えを受け入れ、現代医学と異なる次元で患者さんを診察し、患者さんに最適の治療を選択出来る様になるまで、数年間を必要としました。 物を見るのに、そのものの形、大きさ、重さ、質感、色、ニオイ、味で見るように、さまざまな見方があるものです。 同じように、東洋医学的観察法、西洋医学的観察法には異なる次元の見方が必要なのです。
要するに、患者さんを診察するときに、脳を切り替えながら多方面から観察し、考えるのです。
今回の参考書は、従来のものと異なり、特別な違和感を覚えることなく漢方治療が出来るようにと配慮されていて、一般の臨床医にはとても使い易い参考書です。 執筆の血液疾患は如何しても、西洋医学的標準的治療法が確立されている事が多く、漢方治療の出番は他の疾患より簡略になりがちなのですが、水野先生の厳しい要請で、現在わかってきたものについて出来るだけ網羅するように勤めたつもりです。 今週完成本が贈られてきました。
今後さらに完成度の高いものにする必要はあると思いますが、一段落し、最近のとても嬉しいニュースとなりました。
美夏Dr.コメント ずいぶん前に、どうして漢方なの?骨髄移植とかする血液疾患で、漢方が役に立つの?などと質問しては困らせていました。
どうやら化学療法といって抗がん剤の組み合わせ治療をしている時に、漢方で補助療法をすると、ずいぶん抗がん剤や内服ステロイドの量が減らせ、結果が同じでも抗がん剤治療時の苦痛を軽くすることが出来たらしい。
そうこうする内に、漢方治療にのめりこみ、亀田総合病院にいるときには、馬先生に鍼治療を習い、東洋医学もライフワークの一つになったのだそうだ。面白い経歴ですね。
確かに血液内科というところは、西洋医学のなかでも、西洋薬を最も先鋭的に使う科です。その血液内科の医師が、東洋医学をも専門とするというところが、面白いですね。
考えてみれば、西洋医学的な身体とか東洋医学的な身体ということはないので、ツールが増えただけと考えれば当たり前なんですけれど。
筑田Dr.が苦心して書いていた本が出版されました。メディカルユーコーン社から「漢方内科学」という題名で、927ページの大部です。本全体は十数名の方による分担執筆です。
筑田先生の分担は、「血液造血器疾患」
ずいぶん前に、どうして漢方なの?骨髄移植とかする血液疾患で、漢方が役に立つの?などと質問しては困らせていました。
どうやら化学療法といって抗がん剤の組み合わせ治療をしている時に、漢方で補助療法をすると、ずいぶん抗がん剤や内服ステロイドの量が減らせ、結果が同じでも抗がん剤治療時の苦痛を軽くすることが出来たらしい。
そうこうする内に、漢方治療にのめりこみ、亀田総合病院にいるときには、馬先生に鍼治療を習い、東洋医学もライフワークの一つになったのだそうだ。面白い経歴ですね。
確かに血液内科というところは、西洋医学のなかでも、西洋薬を最も先鋭的に使う科です。その血液内科の医師が、東洋医学をも専門とするというところが、面白いですね。
考えてみれば、西洋医学的な身体とか東洋医学的な身体ということはないので、ツールが増えただけと考えれば当たり前なんですけれど。
posted at 2007/04/16 13:50 | kojitomika |
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美容鍼とアンチエイジング療法の広がり
7-8年前中国訪問時に中医学の書店を訪れたときには、美容鍼の本はそんなに見当たりませんでした。今回は大変種類が増えていて驚きました。
もともと鍼治療は、痛みや疾病の治療として中国では身近なものでした。また、身体の自然治癒力を大事にし、体の内側から健康を保つのに鍼治療が役に立つと実感されてきました。そして最近になって、老化を遅らせ、若々しさを保つ(アンチエイジング)ことが鍼治療で結果を出すことができると多くの人に認識されてきたのでしょう。
最近の中国は経済が発展し、富裕が増えて、アッパークラスでは生活にゆとりが出てきました。それで、美容に対する鍼治療のニーズが増え、書店の棚に美容鍼の書籍があふれているのでしょう。
西洋医学の世界でも、疾患の治療のみしていた時代がありました。今では予防と公衆衛生にも力が入れられているのと、丁度同じことが東洋医学の分野でも起こっているのですね。未病のうちに、身体の偏りを矯正するという考え方が、美容的なニーズを掘り起こしたといえるかもしれません。
私たちのクリニック(美夏クリニック http://www.mika-clinic.com )でも最近美容鍼灸の患者さんが増え、喜んでいただいています。
腰痛、肩こりで来院した方が、皮膚の状態が良くなっていく事に気づき、顔面の施術も希望されます。 ほとんどの方が、他の人から若く綺麗になっていくと指摘されるそうです。 また、形成手術を受けたのかと聞かれるまでの効果を得ている方も居られます。
肥満を気にしている方は、鍼治療に加え生活指導を行って、その方にあった健康体が得られるように指導しています。 今回は薬膳、美容鍼灸の書籍も沢山手に入れたため、更なる治療効果改善のため大いに勉強できそうです。
筑田先生、あのう美夏Dr.の減量計画は一体どこへ行ってしまったのでしょうか? 論より証拠で、眼に見える結果を出していただかないと、説得力がありません。 お願いしまーす。
Dr.筑田
「鍼を打たれるのは嫌だ、ビールやワインを飲む、甘いものは好き、メソの薬も痛そうで嫌だ。 それで一体何をしたら良いのですかね? 努力せずして甘い結果を望むことは出来ないと知っているでしょ?」
「だいたい、防風通聖散でおなかがごろごろすると言っていたから、防巳黄ぎ湯を飲みなさいって言ったでしょ!筋腫がどうとか言うから、桂枝ぶくりょう丸だって、出したでしょ。箱すら開けていない!!真面目にやってください。飲まないのみ薬は効かない。塗らない塗り薬だって効かない。しっているでしょ?」
posted at 2007/04/05 13:08 | kojitomika |
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中国伝統医学(中医学、鍼灸治療)の研修旅行
3月17日から25日北京へ行ってきました。 中国へは中医学(中国の医学;日本や韓国の東洋医学に比べて中国の医学を強調したいときに使う言葉)の恩師馬先生が亀田総合病院から帰国なさる時ご一緒して、天津にお伺いして以来で8-9年ぶりでした。
北京でまず驚いたのは空気の汚染です。滞在期間中太陽を見たのは2日間のみ、日中でも物の影がうつらないような、奇妙な感じを覚えました。喉がヒリヒリ刺激され、排気ガスの臭いがして、かつて日本でも問題になっていた状況とそっくりでした。
研修は朝の8時から夜7時まで、昼食もゆっくりと楽しむ事も出来ない充実したものでした。 講師陣は中国各地からの名医総勢15名の豪華版で、一人3時間の講義と秘伝の技を示しながらの治療実技と合わせたもので、その効果に感心させられました。
名人の技は各自それぞれに特徴があり、今後の治療効果を上げるのに、大変参考になりました。
恩師の馬先生の鍼治療は患者さんに出来る限り痛みを与えない繊細な打ち方です。今回の先生方のダイナミックな鍼の打ち方よりも日本人には合っているように思いましたし、私も馬先生の方針を今後も受け継いで行こうと思いました。
自由時間は2日間有りましたが、1日は書籍探しに費やし、残る1日は博物館巡りと、北京の表と裏道を見て歩き、中国の歴史、文化の底知れない大きさを肌で感じることが出来ました。
中国では西洋医学と中国伝統医学を結びつける方向で医療が進んでいます。
日本の医学部でも漢方がカリキュラムとしてようやく始まりました。鍼治療の効果も海外からエビデンスとして報告されていますので、医学部での鍼治療に対する教育も早急に始めてほしいものだと思います。
美夏クリニック http://www.mika-clinic.com
例えば痛みの治療について
勿論原疾患の鑑別診断が一番重要です。
その上でNSAIDS(非ステロイド系消炎鎮痛剤)は、胃潰瘍などの消化管障害や薬疹などの過敏症のリスクがあります。ブロックは鍼の治療に似ている点がありますけれど、やはり薬物を使います。
鍼の治療の適応があれば、鍼治療は副作用がなく、安全に治療できるメリットがあります。
色々な治療法がある中で、西洋薬や漢方薬に加えて、鍼治療という選択肢があることは、ツールが多いという意味でもよいことだと思います。
posted at 2007/04/04 13:46 | kojitomika |
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中国伝統医学(中医学、鍼灸治療)の研修旅行
3月17日から25日北京へ行ってきました。 中国へは中医学(中国の医学;日本や韓国の東洋医学に比べて中国の医学を強調したいときに使う言葉)の恩師馬先生が亀田総合病院から帰国なさる時ご一緒して、天津にお伺いして以来で8-9年ぶりでした。
北京でまず驚いたのは空気の汚染です。滞在期間中太陽を見たのは2日間のみ、日中でも物の影がうつらないような、奇妙な感じを覚えました。喉がヒリヒリ刺激され、排気ガスの臭いがして、かつて日本でも問題になっていた状況とそっくりでした。
研修は朝の8時から夜7時まで、昼食もゆっくりと楽しむ事も出来ない充実したものでした。 講師陣は中国各地からの名医総勢15名の豪華版で、一人3時間の講義と秘伝の技を示しながらの治療実技と合わせたもので、その効果に感心させられました。
名人の技は各自それぞれに特徴があり、今後の治療効果を上げるのに、大変参考になりました。
恩師の馬先生の鍼治療は患者さんに出来る限り痛みを与えない繊細な打ち方です。今回の先生方のダイナミックな鍼の打ち方よりも日本人には合っているように思いましたし、私も馬先生の方針を今後も受け継いで行こうと思いました。
自由時間は2日間有りましたが、1日は書籍探しに費やし、残る1日は博物館巡りと、北京の表と裏道を見て歩き、中国の歴史、文化の底知れない大きさを肌で感じることが出来ました。
中国では西洋医学と中国伝統医学を結びつける方向で医療が進んでいます。
日本の医学部でも漢方がカリキュラムとしてようやく始まりました。鍼治療の効果も海外からエビデンスとして報告されていますので、医学部での鍼治療に対する教育も早急に始めてほしいものだと思います。
美夏クリニック http://www.mika-clinic.com
例えば痛みの治療について
勿論原疾患の鑑別診断が一番重要です。
その上でNSAIDS(非ステロイド系消炎鎮痛剤)は、胃潰瘍などの消化管障害や薬疹などの過敏症のリスクがあります。ブロックは鍼の治療に似ている点がありますけれど、やはり薬物を使います。
鍼の治療の適応があれば、鍼治療は副作用がなく、安全に治療できるメリットがあります。
色々な治療法がある中で、西洋薬や漢方薬に加えて、鍼治療という選択肢があることは、ツールが多いという意味でもよいことだと思います。
posted at 2007/04/04 13:46 | kojitomika |
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土曜日の夜遅くに「チャングムの誓い」という韓国のTVドラマが放映されています。たまーに拝見して面白く感じていました。そうしたら、レンタルビデオショップで貸し出しをしているのに気がつきました。1日1話で最初から見ています。
主人公のチャングムが、後宮で宮廷料理を色々作ってゆきます。
このお料理が東洋医学を門前の小僧として拝見している美夏Dr.にとって大変興味深い。食材を前にして、この食材は人の身体がどういう状態のときによいのか、この食材とこの食材をあわせると、どのような効果があるのかと番組のなかでは女官たちが、しょっちゅう議論しています。
もともと西洋医で外科系の私が漢方を出すときと、筑田先生が漢方を処方するのでは、かなり内容が異なります。多分私の処方は、どうしても患者さんにとって辛い病気や疾患から出発してしまう(症状による処方)からだと思います。
他人の出す処方や治療方法は、同じ科であれ、他の科であれ、いつも興味深く勉強になります。すっごく面白い。(ついつい患者さんが来たときに、どこの先生がどういう時にどんな処方をされているか根掘り葉掘りーー)どうしてこの処方が出たのか、その結果どうなったのかーーー。
それはさておき、漢方で身体の「冷え」にたいする処方がいくつかあります。温経湯(うんけいとう)、当帰芍薬散、呉茱萸(ごしゅゆ)湯など。あと代表的なものに当帰四逆加呉茱萸生姜湯というのがあります。
この中で温経湯、呉茱萸湯、当帰四逆加呉茱萸生姜湯、には生姜が入っています。しょうが(生姜)は身体を暖めるのに良く使われる食材です。中華料理(日本風中華料理かもしれませんが)で、「叩き潰した生姜とねぎをまずいためてーーー。」というのは定番ですよね。
チャングムの誓いで印象的なのは、すべての食材について、その働きを考えた上で料理していることです。この食材が、この薬が(特にサプリメントなど)、これこれという病気に良いと1対1で短絡的に考え勝ちな使い方に比べて、本来の意味での知恵があるように感じます。
このところ雨が多いためでしょうか、肌寒く感じます。スープの恋しい季節になったんですね。何のスープがお好きでしょうか?生姜いりのスープのレセピを探してみますね。
Dr.筑田 「呉茱萸湯はひえを伴う頭痛に結構良いんだよね。」
Dr.美夏 「にんにくも暖かくなって元気になるよね。にんにくって漢方に入っているの?」
Dr.筑田 「漢方でにんにくの入っている処方を僕は知らないなあ。中国の漢方薬植物図鑑でも見たことがない。どうしてかなあ?ずっと気にはなっていたんだ。馬先生に餃子をご馳走になったことがあるけれどやっぱりにんにくは入れてなかった。生姜とねぎ」
Dr.美夏 「美夏クリニックでは、施行していないけれどにんにく注射ってやっているクリニックがある。これは実はにんにくではなくて、各種ビタミン剤のカクテル。にんにくの元気を出すというイメージと、注射されたときの独特のにんにくのような臭いでそう言う俗称がついたそうよ。」
Dr.筑田 「にんにくはアフリカ原産という説がある。エジプトでは紀元前3000年にすでにたまねぎとともに、ピラミッド建設の時の労働者が食していた証拠があるそうだ。ほかには中央アジアのキルギス地方が原産であるという説もある。いずれにしても、漢方薬の体系ができたのがおよそ2000年前。すでに漢方の体系化が完成したあと、にんにくは中国に入ってきたのではないか。だから、にんにくをその後漢方治療として使うことはなかったのではないかな。」
さて、「気、血、水」のうち 最後の「水」について、ご存知Dr.筑田にインタビューしてみましょう。
なすび 「【水】って何ですか?」
Dr.筑田 「体内の水分は二つに分かれる。つまり【血】は、血管の中を流れているものを指すし、【水】は血管以外に分布している水分を指すんだ。【水】は、身体に潤いをもたらし、身体の防御システムを司るリンパ系も含めて考えるんだ。【津液(しんえき)】ともいう。ただの「みず」ではない。栄養や滋養を含んだ水で、細胞活性を促し、身体を守る働きがあるんだ。 【水】の一部は汗や尿になって、体外に排出される。」
なすび 「【水】による異常を教えてください」
DR.筑田 「身体のバランスが崩れていて、この【水】が体内に病的に貯留したり、返って不足することを【水毒】という。水分が過剰である【水毒】で見られる症状は、腎不全、心不全の患者さんの症状が良くあてはまるんだ。つまり、むくみ、息苦しい、尿が出にくい、咳や痰などもその【水毒】だ。不足の【水毒】では、喉がかわく、身体がほてる、皮膚が乾燥する、目が乾燥する、つばが出にくい、乾いた咳など。」
DR.筑田 「興味深いことに、めまいも広い意味での【水毒】と理解されている。めまいの代表的疾患にメニエル氏病がある。メニエル氏病は西洋医学的には内耳(耳の奥にあるカタツムリのような形の器官、三半規管という)のリンパ液の異常である。昔の中国の人は、水を出すような薬(利尿薬タイプの薬)を使うとめまいが楽になることから、めまいは水毒だと考えたのだろう。 2千年前の古人の観察力に驚かされます。」
なすび「気、血、水について教えていただいてありがとうございました。」
DR.筑田 身体は【水】と【血】という液体で造られた小宇宙です。その宇宙に命を与えて、動的に動かすエネルギーが【気】です。
そのバランスが崩れ始めたときを未病と捉えます。さらにそれが進んで症状が出たときが、病気や疾患なのです。出来れば未病の段階で、その身体のゆがみや偏りを矯正し、バランスの取れた健康な状態を維持できるようにしたいと、東洋医学の医師は努力しています。」| 漢方 | 14:03 | - | - | ↑TOP
漢方の世界は、西洋医学になじんできた医者や看護婦には、ブラックボックス。このところ、Dr.筑田に教えてもらって少しずつはわかったような気がするけれど、それでも結局なにやら雲をつかむようなーーー。
DR.美夏 「どうやら気、血、水とかが東洋医学で重要な概念らしいことは分かった。だけど、それってなんなんだかもう少し教えてくださいな?」
DR.筑田 「東洋医学の世界で病気や健康の状態を把握するには、患者さんの【気、血、水】の状態で判断するんだ。この3つが体内をバランスよくめぐっている時には、人は健康な状態でいられる」
Dr.美夏 「わかんない。もう少し分かりやすく教えて」
DR.筑田 「【気】は元気の気、やる気の気。自然現象や物事を動かす原動力(エネルギー)を意味する。」
「中国の痩せ薬で、甲状腺ホルモンの入っていたのがあっただろ?どうして甲状腺ホルモンが痩せるのに効くかというと、このホルモンをのむとやたらに動きまわり、頭の回転も速くなり、活発になる。つまりエネルギーを消費しすぎるんだ。
それが身体全体のレベルだけでなく、細胞のような小さい単位でもおこっている。だからこそ痩せる。
それと同じように、気が高まっている状態は医者の言葉でいうと、代謝が高まり、エネルギーに満ちあふれている状態だと思えばいい。良い状態って訳ではないんだ。これは過剰な状態であって、健康な状態ではない。ここが重要なんだ。
逆に甲状腺ホルモンの欠乏状態では肉体、精神活動も鈍くなり全体にむくみ、活動が低下するので、ひと目で診断がつく。これが気が不足または低下している状態と考えれば理解しやすい。」
「ふーん、じゃあ【気】が欠乏している時には、甲状腺ホルモンを処方すればいいんだ」と、突っこもうと思いましたが、真面目なDR.筑田にまた怒られると、言いそびれました。また続きをお楽しみにね。

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