アタマジラミの最近の記事

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 統計ではアタマジラミの流行は少しずつ増えてきているようです。美夏クリニックでも、時々拝見しています。ほぼ常在菌化してしまっている施設もあります。

 

 アタマジラミは、現在のところ回帰熱、チフスを媒介する可能性が指摘されています。でも回帰熱もチフスもスピロヘータやリケッチアによる病気で、現状そんなに患者さんが多い訳ではありません。そのためアタマジラミは固有の疾患を起こすことはないという記載をあちらこちらで散見します。

 ただ医師が、「アタマジラミで引き起こす病気はありません」という文面を読むときには、「いまのところアタマジラミで直接引き起こされる病気は分かっていません。また媒介する病気もまだはっきりしていません。」と読みます。医療医学では分かっていないことが多いのです。

 マダニによるスピロヘータで引き起こされるライム病が、病原体とともに疾患としてはっきりしたのが、1982年です。日本紅斑熱が、同じくマダニによるリケッチアで起こることがはっきりしたのが、1992年です。

  一般開業医として見聞した限り、アタマジラミの流行り方を拝見していますと、アタマジラミを単なる不快害虫である、一端発生してもそのうち害もなく終息するから穏便に取り扱おう、という範囲を超えてしまっているように思っています。

 できれば、小さいお子さんをお持ちの家庭では、時々子供さんの髪の中をチェックしてくださいね。

 

アタマジラミは不潔だから発生する病気ではありません。でも感染力伝播力が強いので、もし万が一媒介する病気が出てきてそれが重篤なものであった場合、大きな問題になる可能性があります。しつこいですけれど、不潔だから発症するものではありませんが、アタマジラミを放置することはあまり清潔な状態ではないと思います。人から人へと噛んだりさしたりする昆虫は、病気を媒介する可能性があることを、理解していただきたいと願います。

http://www.headlice.org/index.html

保育園や小学校のお子さまで、時々髪が痒くて、白いフケのようなものがついていて、アタマジラミでないかと受診なさいます。

 アタマジラミは昆虫で、2-4mmくらい。結構動きが早くて、見つけにくいのですが、髪に付着している卵を確認すれば確定診断がつきます。

 この時代にと思う方もおいでだと思いますが、季節を問わず結構流行ります。最近では「いじめ」の問題もあって、登校登園している施設に隠してしまうこともあって、余計細々と人から人へとシラミは移転しながら生き残って、結果的に施設内で飼ってしまっているようです。

 新宿区保健所の中に、本当に良く整理されているウェブサイトがあります。ご紹介しておきます。
http://www.ihdc.co.jp/ihdc/products/atama/atamazirami.pdf
そして、その新宿区保健所の文章の中の
「速やかな発生状況の情報が家庭から集団に、集団から家庭へ正確に流れることが蔓延予防につながります」
「シラミの発生している児童がいじめの対象になる可能性があることで、検査や先生から児童への説明の際には細心の注意を払う必要があります。」

を強調させていただきたいと思います。

 治療としては
1、スミスリンパウダーやスミスリンシャンプーなどの殺虫剤を使う。(殺虫剤は卵には効きませんので、2-3日間隔で3回程度繰り返して散布する)
2、シラミ用の梳き櫛を使う。
3、生活環境に残存するしらみを退治する
の3つです。

 この原稿を書くにあたり、ネット検索をしていたら、池袋保健所もおなじようなウェブサイトを作っていました。
http://www.city.toshima.tokyo.jp/seisaku/book/atamajirami2007.pdf
これによると、スミスリンに抵抗性のしらみが出てきているようですね。スミスリン抵抗性シラミは本日始めて知りました。

 LiceMeisterという全米シラミ協会推奨のシラミ用梳き櫛もあります。市販されていますし、場合によっては貸し出しをしている保健所や施設がありますので、所属している保育園や学校にお尋ねくださいね。

 ちなみにスミスリンは処方薬ではありません。ドラッグストアで購入できますし、反対に医療機関は処方できません。


 1年に何回かですけれど、アタマジラミの流行があります。最近でも何件か問い合わせを受けています。

 同じ昆虫では、ニキビダニという毛包にすむダニもあります。こちらは常在菌(菌といっていいかどうかは別ですけれど)で、誰もが持っていますけれど、脂っぽくなったりステロイドの長期投与などで、場合によって増えてしまうもの。

 アタマジラミは、人から人へと感染して移って行くもの。一応常在菌ではない。
 似たような例では、カンジダは常在菌であるカビで、水虫は感染してうつるカビ。

 カビやムシにとっては、根絶されるのは種の保存の点でもあまり良い話ではありません。生き残るための種としての戦略があるんですね。

 同じ新宿保健所の記事に「アタマジラミが低学年児童以下に多く見られ、高学年以上の生徒や大人にほとんど見られないのは、洗髪に一因があります。小さい子供は自分で頭を洗いたがり、また洗髪を嫌ったりする傾向があります。きちんと洗髪することでシラミを減らすことができますが、洗髪が不完全なためにこれが多く残って増殖してしまいます。特に、この傾向は髪の長い女児にみられ、また、子供はブラッシングやドライヤーの使用をすることが少ないこともしらみを増やす原因となっています。」とあります。アタマジラミもまた、生活習慣と疾患の関連が強いんですね。
 もっともシラミ対策でブラッシングやドライヤーを使うというのも、本末転倒ですし、それだけの費用対効果があるかどうか疑問ですけれど。

 生活習慣病は内科的な病気だけでなくて、皮膚科の疾患にもたくさんあることが分かります。生活習慣は(顔の洗い方や入浴の仕方、掻くなども含めて)治しにくいので生活習慣による疾患は当然治りにくいんですね。

posted at 2007/02/02 17:30 | kojitomika |
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