傷の治療の最近のブログ記事
あんか、湯たんぽ、カイロなど、短い時間に接触しただけならば何も起こらない程度の熱に、長時間熱せられて起こるやけどです。
ぱっと見た感じでは、軽いやけど。なのに時間が経つと余計に傷が深くなってゆくように見える。じっくり焼きしめてしまった感じ。知覚が鈍くなっているとか、酔っ払っちゃったとか、何か熱い事に気がつかない理由がある場合が多いはずなのですが、時に元気な若いお嬢さんでも拝見することがあります。
火だこも低温熱傷も、そんなに危険とは思えないくらいの熱で起こる皮膚の損傷です。今の時期には時々拝見します。どうぞお気をつけてくださいませ。
前回ハイドロコロイドは炎症がなければ貼り替えなくてよいと、お話ししました。
ちょうど翌日そのテープがふやけたので、お見苦しくて恐縮なのですが、写真をお見せします。
この白くふやけた部分は、傷からでる浸出液(白血球や炎症惹起物質など)とハイドロコロイドの溶けてきたものが一緒になっています。このような状態であれば、ふやけて貯まっているのは膿ではありません。
テープ周辺を含めて全体が赤く腫れたり、痛みが出てきたら、受診が必要です。ちょっと足をお見せするのが恥ずかしかったので、画像は小さくしました。
ところで武蔵野市の定期予防接種について、追加があります。7才6月未満のお子さんで一度も麻疹風疹ワクチンを受けていない方は定期接種でワクチン接種が可能です(つまり公費負担で)。
武蔵野市健康福祉部健康課0422-51-0700におたずね下さい。ウェブはこちら
武蔵野市のページにも、「麻しんは大人になってからかかると重症化する病気です。かかった方のうち1000人に1人は死亡するとも言われています。自分がかからないのはもちろんのこと、他人にうつさないためにも是非この機会に麻しん予防接種を受けてください。
なお、上記対象者以外の方も過去に麻しん予防接種を受けていないことが明らかな方や、受けたことが不明で心配な方は自費になりますが接種をお勧めします。特に、学校関係者・保育所関係者・医学系・教育系の関係者の方たちは自分が接種しているか又は罹患しているかを確認して、罹患していなくて未接種の場合は必ず接種を受けるようお願いします。自分が勤務等をしている施設で麻しんをうつさないためにも必要なことだと思います。」とあります。
今年こそお洒落をしようと美夏Dr.なりに頑張っています。でも「美夏Dr.なり」なので本質は変わっていません。こちら
かなり反省して(職種を考えなくちゃあね)、一応スニーカーはやめ、外出時のスッピンもあきらめ、少なくとも外出時には、パンプスにスカートにしようと努力しています。
それで昨日新宿と銀座に行くというので、パンプスを履きました。ヒールがちゃんとあるドレッシーなパンプスです。
帰宅する頃になったら、かかとの上が痛い。左の写真です。
こんな時に有用なのが、創傷被覆材です。これはクリニックで愛用しているアブソキュアというハイドロコロイドの製品です。ちょうどこすられる所が覆われるので、痛みがすぐになくなります。外出先でドラッグストアを見つけたら、ジョンソンアンドジョンソンのキズパワーパッドでokです。 傷の治療の詳細はこちら
本日もそのまま貼りっぱなしです。全く痛みがないのが一番ありがたい。貼らなかった足指の上の部分は、お風呂でしみる。
そうですね、もしテープやその周辺も含めて、赤く腫れているとか、痛みが強くなるとかの症状があれば、はずして洗浄し状況で抗生物質が必要でしょう。でもそんな風になることは滅多にありません。白くふやけているのは心配しなくて大丈夫ですし、貼ったままでよい。べたべたになって具合が悪ければ、剥がしてよく洗って(シャワーのお湯で)また貼っておけば良いのです。
傷跡を目立くする手術というのがあります。瘢痕形成術と言います。
その中で、皺を横切るような傷跡だと、光が当たったときにかげがくっきり見えて、目立ちます。その傷跡を、ジグザグに作り替え、陰を分散させるようにする手技をW形成術と言います。
W形成術をさせて頂き、2ヶ月経過した写真で、患者さまの了解がとれた画像がありましたので、紹介致します。頬の縦のラインの修正です。傷の長さは2cm程度です。かなり拡大した写真ですね。
手術痕は、最初少々赤みのある色がしばらくすると茶色くなり、1年も経てば肌色になって目立たなくなって来ます。(炎症後色素沈着 手術の炎症後色素沈着はそれなりに目立つので、どんな手術をしても最初は色が気になるものです。)
傷の幅が出ないようにしっかり真皮縫合といって皮膚の下の方も縫合してあります。そのためにW形成術では最初の頃多少。でこぼこするものです。
写真は術後2ヶ月なので、まだ色や形もできあがりではありません。それでもあまり目立たなくなっており、患者さんは満足されたようでした。
10年以上まえには、まだ車の運転するときにきちんとシートベルトをする人が少なく、自動車事故でフロントガラスインジャリーといって、顔を傷だらけにしてしまう方が沢山おいででした。形成外科医は頻繁にこのW形成術をしていました。シートベルトが義務づけられ、最近ではずいぶんW形成術を必要とする患者さんは減りましたね。良いことです。
ちなみに美夏Dr.は形成外科を専門とするかどうか迷っているときに、先輩がこのW形成術をしていらっしゃるのを拝見し、「こんな細かい仕事、とても出来ない」と感じました。でもね、まもなくこうした細かい手技が苦痛ではなくなり、さらには職人芸的な形成外科の仕事が大好きになりました。人はやってみないと、向き不向きは分からないものだと感じています。
今回は怪我したときの、最初の治療 洗浄について話をします。
新しい創傷治療の基本は
1、消毒しない
2、傷はよく洗おう
3、湿潤環境に保つの3点とお話しました。
消毒しないこと、湿潤環境に保つことは、結局自分の身体に備わった治る力を大事にするためです。
でも、怪我のせいで、身体の一番外側にある防波堤、バリアがすでに破綻してしまっています。体の中からは、身体のなかの警察である免疫機構が動き始めています。
怪我したときに最初にすべきことは、外から入ってきたものがあれば、それを洗い流し、免疫機構の働きを充分に助けてやることです。大量の水で洗い流すのが一番です。
このときのお水は質より量と覚えておいてください。水道があれば、水道の水で、海ならば海水で、何もなくて水筒があればそのなかのお茶だって構いません。滅菌されている必要はない。
傷の中に、砂やガラスなどが入っていて取れないときには、お近くの医療機関にかかりましょう。形成外科があればそこに行ってみましょうね。 医師は、異物が残っている可能性があれば、必要に応じて麻酔の注射をし、ブラシやほかの道具を用いて取り除きます。
広い浅い傷で、砂や土が残っている場合には、この怪我した直後の治療が一番効果的。時間がたつと、外傷性刺青といって、色が残る場合があります。
現在では、レーザーでこの怪我による刺青をとることができる場合があります。でもしばらく前までは、手術操作を加えなくてはこの外傷性刺青って取れなかった。初期治療なら、わずか2分の治療なのに、後でその色をとるのはなんて大変なことかと残念に思ったことは数知れません。
あとひとつ。ふつうの傷は洗浄すれば、ほかの感染(ばい菌)対策は不要です。でも、土壌などからの汚染した創、犬や猫などの咬まれた傷、など例外があります。早い時期から抗生物質などの治療が必要な場合があります。また普通の傷であってもだんだん腫れてきた、赤くなってきた、痛みが強くなってきたなどの場合、医師による治療が必要になります。
普通の浅い傷であればキズパワーパッドと洗浄用ミネラルウオーターがあれば、とりあえずの救急処置は可能でしょうか?
消毒すると傷の治りが遅い
前回のキャッチフレーズは、上記でしたね。
本日は傷を湿潤環境におくと言うことをテーマにお話します。傷が治ってくるときに、身体の中から浸出液とよばれる水が出てきます。 その浸出液を上手に傷を治すために使うには、乾かさずにwetな方が良いのです。 そうです、気、血、水の【水】を思い出してください。こちら
その浸出液を作っている物質は(西洋医学的には)
1、 血小板や血小板から出てくる糊のような物質 (出血をとめる)
2、 白血球や補体、免疫グロブリンなど、感染防御の物質(病原微生物に対抗)
3、 種々の成長因子や線維芽細胞などの傷をふさぐための物質
の3種類があります。
元々動物は、傷を受けたときに、このような傷を治すような物質を自分自身で作り出しています。乾いてしまうと、その自分を守る細胞、新しく治ってゆく細胞は死んでしまいますし、物質であれば壊れてしまいます。せっかく自分の身体が作り出している有益な仕組みは大事にしたほうがよい。
もちろん、傷を受けたわけですから、外界の病原微生物に対してどう自分を守るかという配慮は必要です。 ほとんどの傷で問題になるのは、自分の皮膚にもともといる常在菌です。この常在菌が傷で悪さをするときには、炎症が起き赤く腫れる、熱を帯びる、痛くなるなどのサインがあります。そのようなサインがあるときには、常在菌に対して対処が必要です。でもそれは消毒ではなく、抗生物質を使う方が傷の治りが早い。
自分の治る力と外界からの種々の要素のバランスです。自分の治る力(免疫)を大事にするためには、乾かさず傷を湿潤環境におく(ウェットにしておく)ことが重要です。
湿潤環境は、多めの軟膏や創傷被覆剤やラップなどで、簡単に作れます。ジョンソンアンドジョンソンのキズパワーパッドは、ドラッグストアで簡単に手に入る優れものだと思います。
使い方は、また次回のお楽しみに。今回の記事も以前の焼き直しです。すみません。
本日は手抜きで(スミマセン)一年半ほど前に「美夏先生と愉快な仲間たち」(jugemの時、私の前の前のブログ)に書いた文章です。以前書いた記事はこちらの美夏クリニックブログとして少しずつ移動しています。blockblogの時の記事は書いたときの日付でだいたいアップしています。アーカイブが少しずつ増えているでしょ?でもこの傷の話題は、大事な内容なので少し手を入れて新しい日付でご紹介します。3回連続です。
【新しい創傷治療】の現在の常識のポイントは
1、消毒しない2、よく洗浄する3、湿潤環境(ウェットにする)に傷をおく の3点です。
やけどや擦り傷などの怪我をしたとします。以前でしたら、まず消毒。私が子供のころは「赤チン」というものを塗りましたし、赤チンがなくなってからは、「ヨウチン」を使っていたでしょうか?現在でも消毒液として、医療機関の中ではイソジンというヨード系の薬が良く使用されます。
消毒薬は、細菌(ばい菌)について、殺菌作用があるものを言います。今のように抗生物質がなかった時代には、化膿すると命とり。 とにかくばい菌は退治しなくては、と消毒することが大変重要な治療でした。 長い歴史の中で、病気との闘いが実は細菌との闘いであったことを考えれば、当然のことだと思います。
でも消毒薬は、傷が治ってくる過程で新しく出来てくる新生細胞やその場所で防御作用をしている白血球などの細胞にもダメージを与えます。傷が治るのに役に立つ良い細胞についても、外からの敵かもしれない細菌に対しても、ダメージを与えてしまいます。細胞障害性があるといいます。
また消毒薬でかぶれることがあります。「傷が治りません。」とおいでになる患者さんのなかに、消毒かぶれの人ってかなりいます。
治療は、やったほうが得なのか損なのかで、その方法が良いか悪いか決まります。 それで、色々なやり方を比較検討してみた結果、ばい菌を退治しようとする消毒薬を傷に使って、自分自身の治癒能力(新しい細胞、免疫を高める細胞)を抑えると、結局は傷の治りが悪いという事がはっきりしてきました。
本日の結論 消毒すると、傷の治りが遅い。下記のサイトに詳しい内容があります。 http://www.wound-treatment.jp/ 次回は2を後回しにして、3の湿潤環境についてお話しますね。
傷は、その人の皮膚の性質(色がつきやすいとか、盛り上がりやすいとか)と、もともとの傷の深さ、ケアの仕方でどんな傷跡になるか決まります。
どんな傷であっても、炎症後色素沈着といって、最初赤い傷となり、そのうちに茶色くなり、だんだん皮膚の色に近くなって目立たなくなるという過程をたどります。本日のお話は傷あとの色の話ではなくて、形状(かたち)の話です。
傷あとは、3種類に分けられます。
1、成熟瘢痕 平らな傷あと。触ったときにあまり凹凸がなく、痒みや痛みなどがない。場合によっては、色がついたり(炎症後色素沈着)、色が抜けたり(炎症後色素脱失)している。
2、肥厚性瘢痕 やや盛り上がっているが、赤みは乏しく、たいていの場合かゆみや痛みはない。大体2年くらいで少しずつ平らになってくる。
3、ケロイド 盛り上がって、赤く触れ、表面はつるつるしている。痒みや痛みがあるときがある。
ケロイドは、なかなか綺麗に治りません。多分きちんと治せれば、ノーベル賞もの。 現在の所、
1抗アレルギー薬(リザベン)内服、
2ステロイドの密閉療法(ステロイドテープ)
3、ステロイド局注
4シリコンジェルシート
くらいの保存的治療が一般的になされているのが現状です。手術しても再発が多いので、積極的に手術している医師は少数派だと思います。私もめったに手術致しません。次にお話する3度熱傷のような場合ですと、場合によっては手術適応といって、手術によって改善が望めるときがあります。
ケロイドの治療目標は低くて、赤みや高さが改善してある程度目立たなくなるとよいくらい。残念です。
ケロイドは、好発部位といってなりやすい場所があります。ひとつは胸骨の上といいますが、胸の真ん中辺り。心臓や肺の手術で縦にした傷やニキビなどでも出てきます。また、恥骨の上ーー帝王切開など。身体の真ん中の縦の傷はなかなか綺麗になりません。また、前にお話した耳たぶ、肩やひざなど。
やけどの場合を例にお話いたします。やけどは浅い方から、Ⅰ、Ⅱs、Ⅱd、Ⅲ度に分類されます。1度は日焼けのようなやけど。2度はs(浅い)とd(深い)の両方ともコラーゲンが多い真皮の深さまでのやけどです。大体2週間で皮膚が覆われるような傷をⅡsと言います。2度であれば、皮膚付属器(皮膚の中で皮膚以外の汗腺脂腺や毛根などを指します)の基底層(皮膚の細胞が分裂する層)が残っていますので、焼けてしまった部分からも、皮膚が新生されます。3度の熱傷ですと、皮膚の新生はやけていない部分の端からの再生しか期待出来ません。
この中で3度熱傷の場合は、身体のどこの場所でも、ケロイドになる可能性があります。2度の場合は、かなりその人の皮膚の性質で傷あとの状態は変わります。Ⅱsであれば、ケロイド体質とも呼ばれる傷が目立つ皮膚の性質でなければ、皮膚は形の変化なく治ります。Ⅱdの場合はかなり皮膚の性質や場所、傷の大きさにより、場合によってはケロイドになります。
ケロイドは、治しにくい傷あとです。ケロイドになっていない、傷あとがやや盛り上がっている状態で、形成外科にご相談なさった方がよいと思います。形成外科にかかっていて、例えば手術などの治療を受けたあとでも、もし傷の幅が広がって、その部分が皮膚よりも盛り上がるようになれば、再度受診なさることをお勧めします。
そういえば、センセは痒くて掻いた痕は茶色い色がついているけれど、あちこちある傷あとは綺麗で細いよね。センセの皮膚の性質は、痒いんだけれど、傷の治りは良いってことかしら?
そうなの、私の傷あとはケロイドのように、硬くなったり、盛り上がったりしにくいの。だから患者さんに悪い見本としては見せられないのね。 え!?!悪い見本ばっかり見せちゃうの?変ねえ、良いところを見せたら良いのに。
この記事は、jugemで一度公開したものです。
posted at 2006/07/01 18:20 | kojitomika |
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