皮膚がんの最近の記事

形成外科の手術ーー腫瘍を取る

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bowen.jpg 形成外科や美容外科は、二重ばかり作っているわけではありません。普通の保険診療もしています!(今更何言ってんの?と言われちゃいますが)
黒い色のついている腫瘍は、色素性母斑という「ほくろ」、脂漏性角化症というしみもありますが、時にほくろの癌や他の皮膚がん が混ざっています。

左の画像が、ありふれた脂漏性角化症です。液体窒素で凍結したり、炭酸ガスレーザーで焼灼します。しばらく痂皮(かさぶた)ができたり、炎症後色素沈着(治療後の一過性のしみ)が患者さんに取っては辛い。

右の画像は「先生、これ何かなあ?」と言われ、一瞬凍結しようと思ったのですが、表面が固く気になったので、麻酔の注射をして切除しました。 ボーエン病という皮膚がんの初期状態でした。脂漏性角化症のなかに、がん細胞があった。

切除すると傷は1直線で残りますが、何であるか病理診断がつき、心配なものがなくなり、治療も小さなものであれば1週間で終了してしまうので、早くて簡単で治療後の見た目もよくて良いと思います。

脂漏性角化症のなかに皮膚がんがあった画像はこちらにもあります こちら

mminsitu.jpg「先生 何か最近できたホクロなんだけれど、少し大きくなっているみたい。取って貰えませんか?」

40台前半女性、左下腿(ひざと足首の間)の真ん中あたり、前方にある3mmの色素斑です。

 色が左右で違う。読みすぎ(悪く考えてしまうこと)かな、なんて思いながら切除しました。

 いつも標本を見て貰っている札幌皮膚病理診断科の木村鉄宣先生から「臨床写真送ってくれませんか?」って電話がかかってきます。メールが何往復かして、病理の最終診断は、「上皮内悪性黒色腫」

 悪性黒色腫の腫瘍細胞は,最初に皮膚の一番表面にある表皮で発生します。表皮の中に腫瘍細胞がとどまっている状態を上皮内悪性黒色腫と呼びます。きちんと切除されていれば再発や遠隔転移しません。今後色々な事を心配しなくて良いのです。。

 良かったですね。他の皮膚がんの話は こちら 

 追記:札幌皮膚病理診断科の木村先生が、原稿を手直ししてくださいました。先生、ありがとうございます!!

 

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 この膨らんだ肌色から茶色のしみは、脂漏性角化症と言います。

 どうも家系的に多い人がいるように思います。一つ一つがやや大きめです。

 ヒトパピローマウイルスによるとは別のものです。(合併している場合はある。) 脂漏性角化症はもともと良性で 、悪性腫瘍になることは普通はない。もし悪性腫瘍があれば、それは元々癌だったというのが、現状の理解だと思います。

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それで、反対側の脂漏性角化症の色が少々気になって、切除しました。(画像の上のほうの塊です。)

病理では、有棘細胞癌の表皮内癌(早期癌)。ちょっと気になるので、標本を精査中ですけれどーーー。

ちょうどこの記事を書きながら、ネット検索をしていたら、病理診断をお願いしている札幌皮膚病理研究所の安西先生のご発表では、良性色素性腫瘍と術前に診断し切除した12000例余りのなかで、良性色素性病変でなかったものが1528例でおよそ13%あったそうです。ちなみに悪性腫瘍だったものは1.2%ほど。

 たくさんの良性腫瘍やしみの中から、悪性腫瘍を見つけ出す事も、美容外科医、形成外科医の仕事です。

 美夏DR.はもともと形成外科医なので、手術をするのは慣れています。

 どのようなほくろを切除し、どのようなものなら安全にレーザー照射ができるか鑑別するのは、ある意味腕の見せ所です。勿論とても怖い思いをする事があります。

  最近おいでくださった患者さんで、「他の人のためになるなら画像を載せてもいいです。」と言ってくださった方がいます。鼻のほくろのように見える黒っぽい腫瘤です。

 

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 「最近出てきた物で、他のほくろと違うと思う。だんだん大きくもなってきている。」とおっしゃっていました。 

 ダーモスコピーで拝見すると、色が何やらむらむらとあやしい。 

  小さいものなので、手術時間は5分ほどで終了です。美夏Dr.は年齢とともにすっかり怖がりになってしまって、1mm離して軟骨膜を含めて切除しました。

 確定診断は「基底細胞癌」でした。

 取り残しの可能性が全くないのを病理の先生に確認してもらい(武蔵野市医師会検査センターではとっても優れたことに、札幌皮膚病理研究所の先生にお願いしてくれます。ヤッホー!!本当にここの先生は頼りになります。悪性腫瘍であると診断した場合には、切片を追加して多方向に検討してくれますし、状況においては、私のような開業医でも電話で症例検討をしてくれます。いつも感謝しています。)、自分でもプレパラートで確認し、治療終了です。

 

  この癌はあまり悪性度は高くないのですが、場合によって再発を繰り返す嫌なやつです。最初の治療できっちり切除することが一番重要です。  

 

 ところで、一番困るのはーーー。 肉眼的に診ても、ダーモスコピーで診ても、診断を迷う足の裏の荷重部の黒い色と、爪の下の黒い色。 

 明らかに良いものと明らかに悪いものは、これは迷う必要がなく、治療方針が決まってきます。ところがその中間で、顕微鏡レベルでないと診断出来ないのに、その診断のための手術がとても患者さんの負担になる(大きさや場所で)場合は本当に困ります。経過で決めることになることが多いように思います。

日差しがすっかり強くなり、スギ花粉症のない方にはアウトドアスポーツを楽しむよい季節になってきましたね。美夏Dr.は花粉症もちなので、せっかくのよい季節なのに、マスクと抗アレルギー剤が手放せず、少々憂鬱です。

 私は、千葉県の鴨川で10年近く過ごしました。鴨川周辺にお住まいの漁師さんや農家の方をたくさん拝見いたしました。もともと色白で漁師さんや農家で紫外線を長期間浴びた結果、皮膚がんを発症した患者さんの治療を、かなりの数させていただきました。

 紫外線によるダメージは、もともとその人の皮膚の性質によってかなり異なります。色黒で皮膚のメラニン含有量の多い皮膚をお持ちの方は、生来紫外線に対して強い抵抗力があります。でも、もともと色白の皮膚を持って生まれてきた方は、紫外線に対してのいわば武器が少ない。紫外線を大量に浴びる生活を長年続けて来られますと、どうしてもその紫外線による皮膚のダメージが強く出ます。

 紫外線によるダメージは、最初はシミとしわです。同じ年代の中で、他の方よりもしみやしわが目立つ方は、ご自身の持っている皮膚の強さよりもたくさんの紫外線を浴びてしまった方です。
 その方たちが、次に心配しなくてはならないのが、皮膚の悪性腫瘍です。悪性黒色腫や有棘細胞癌、基底細胞癌などの発症率は、紫外線をあびている量が多い場合に、増加します。

 そして紫外線を浴びている皮膚は、衣服から露出されている皮膚全体です。そうすると、色白で生まれた漁師さんや農家の方で、どこかに皮膚癌が発症すると、長期間拝見していますと、他の部位にもそのうちに発症してくる場合があります。たいていはお顔か手や腕です。そのような日に当たりやすい場所には癌が転移するのではなくて、多発しやすくなっている。

 アウトドアスポーツがお好きな方でもともと色白の方には、美容的な意味だけではなく、皮膚癌の発症予防のためにも、ぜひ日焼け止めをお使いいただきたいと、思っております。

 美夏クリニック http://www.mika-clinic.com
美夏クリニックのウェブサイトで皮膚がんの説明は
http://www.mika-clinic.com/kamoku/hihu07.html

 美夏Dr.はもともと色白だと言われて育ちました。スポーツが好きなので、テニスやら海やらスキーやらで、結構日焼けした時期が長くあります。

 それでもあまりシミも目立たず、私はしみとは無縁だと全く医学的根拠無く楽観していました。(本当に馬鹿ですねえ)ところが一昨年どうやら紫外線を浴びる総量が、一定限度を超してしまったようです。あちらこちらに、パラパラとスポットのようなシミが出てきたかと思ったら、肝斑が出現しました。
 この10年くらいは、サンスクリーンを使わずに、表を歩くことはなかったのですがーーー。今のところ幸いシミとしわですんでいますけれど、60歳過ぎると危ないかもしれませんね。

 たしかに過去に浴びてしまった紫外線によるダメージを完全に回復することは、難しいかもしれません。でも将来にたいしてはある程度予防が出来ます。
 ぜひ面倒くさがらずに、サンスクリーンをお使いくださいませ。

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